今回は、こんなお悩みにお答えします。
本記事の内容はこちらです。
- 理想的な保湿とは
- お肌がみずからうるおう保湿物質(保湿因子)
・セラミドなどの角質細胞間脂質
・天然保湿因子(NMF)
・皮脂 - 水分を挟み込んで保湿する美容成分
・セラミド
・水素添加大豆レシチン
・ステアリン酸コレスチロール - 水分と吸着して保湿する美容成分
・コラーゲン
・エラスチン
・ヒアルロン酸
・ヘパリン類似物質
こんにちは、美容アドバイザーの望月優衣です。
うるおいに満ちたお肌を目指して、化粧水をたっぷりつけて保湿したくなります。
しかし、時間が経てばすぐに乾燥してしまうと感じる方も多いのではないでしょうか?
ただ水分を入れるだけではなく、「お肌みずからが乾燥しにくい状態になるために、美容成分の補給」が必要なのです。
そこで今回は「お肌がうるおう保湿物質(保湿因子)」について解説し、「保湿力の高い美容成分」をお伝えします。
肌トラブルに負けない、健やかなお肌をつくっていきましょう。
理想的な保湿とは

理想的な保湿とは外の空気が乾燥していても、お肌みずからが保湿物質を作り出し、水分が蒸発しない状態です。
通常は湿度が50%以下になると、お肌の水分蒸発が始まります。
たとえ湿度0%であろうとも、保湿物質がしっかり働いているのなら、水分が蒸発することはありません。
そのためには、一時的な保湿ではなく「お肌がみずから保湿物質を作り出し働かせる」必要があります。
次に、肌本来の保湿物質について見てみましょう。
お肌がみずからうるおう保湿物質(保湿因子)
お肌のうるおいを保つ「肌本来の保湿物質」(保湿因子)は、主に3種類あります。
3つの保湿物質
- セラミドなどの角質細胞間脂質
- 天然保湿因子(NMF)
- 皮脂
3つそれぞれがバランスを取り助け合いながら、お肌の水分量をキープしているのです。
セラミドなどの角質細胞間脂質
角質細胞間脂質は「角質細胞同士の隙間」を埋める役割を持っており、主な成分はセラミドや脂肪酸、コレステロールです。
パワフルな水分保持力を持っているのですが、残念ながら加齢とともに減少していきます。
また、減少すると保水機能が低下するだけでなく、さまざまなアレルゲンもお肌に侵入しやすくなってしまいます。
天然保湿因子(NMF)
天然保湿因子(NMF)はアミノ酸、乳酸、尿素、クエン酸塩など約20種類の成分で構成され、角質細胞内に存在します。
減少する原因として、加齢や日焼け、睡眠不足、ストレスなどがです。
皮脂
皮脂は皮脂腺から1日に約1〜2g分泌され、環境や体質によって分泌量は変わります。
女性の場合は20代をピークとし、加齢とともに減少するのが一般的です。
皮脂が減少すると保湿が損なわれるだけでなく、外部の刺激がダイレクトにお肌に伝わってしまいます。
なので、ベタつきやニキビの原因にもなりますが、必ずしも皮脂が悪者という訳ではありません。
水分保持率の目安
保湿物質がそれぞれどれくらいの水分を保持できるのか?
お肌の一番外側にある角質層の水分量を100%とした場合の割合が、こちらです。
角質層の水分保持率の目安
- 80%:セラミドなどの角質細胞間脂質
- 17%:天然保湿因子(NMF)
- 3%:皮脂
これら3つの保湿物質が正常に働き、水分をたっぷり蓄えられるように美容成分で補給してあげましょう。
保湿力の高い美容成分
お肌みずからが保湿物質を合成する能力は、年齢とともに減少していきます。
そこで水分だけでなく美容成分も補給して、保湿物質の合成をサポートすることが大切です。
美容成分を水分のキープ方法により、2つに分けて紹介します。
- 水分を挟み込んで保湿する美容成分
- 水分と吸着して保湿する美容成分
水分を挟み込んで保湿する美容成分
お肌の水分量を上げるのに最も効果的といわれる「セラミド」をはじめ、水分を挟み込んで保湿する成分がこちらです。
- セラミド
- 水素添加大豆レシチン
- ステアリン酸コレスチロール
セラミド
スフィンゴ脂質と呼ばれる脂質の一種で、細胞間脂質の約50%がセラミドで構成されています。
水分を強力に挟み込んでキープするため、皮膚のうるおいを保ち、外からの刺激からお肌を守ります。
水素添加大豆レシチン
大豆から抽出できる成分に水素添加をして安定させた両性界面活性剤の一種です。
お肌への浸透性が高く、セラミドに近い保湿効果があります。
ステアリン酸コレスチロール
セラミドと同じく細胞間脂質のひとつに含まれる成分です。
水分を挟み込んで維持する効果がありますが、保湿力はセラミドより弱くなります。
水分と吸着して保湿する美容成分
水分を吸着して保湿する美容成分は、お肌の土台となる真皮にもともとある成分がよく使われます。
- コラーゲン
- エラスチン
- ヒアルロン酸
- ヘパリン類似物質
コラーゲン
皮膚や腱、軟骨などを構成するたんぱく質の一種です。
ハリや弾力を保つ働きがあり、保湿成分としても化粧品に配合されています。
ビタミンCが不足すると体内でコラーゲンの合成ができなくなるので注意です。
エラスチン
皮膚や血管、肺などを構成するたんぱく質の一種です。
保湿力が高くコラーゲンをつなぎ止めるように働き、ハリや弾力を保ちます。
エラスチンが減少する要因としては、加齢やストレス、紫外線などがあります。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸はグリコサミノグリカンの一種で、コラーゲンやエラスチンの隙間を埋めるゼリー状の成分です。
保湿力が高く、ヒアルロン酸1に対して200〜600倍の水分を貯える力があります。
ヘパリン類似物質
血液中にあるヘパリンと似た構造を持つ、ヒアルロン酸と同じくグリコサミノグリカンの一種です。
保湿効果が高く、皮膚炎の治療に軟膏に利用されています。
まとめ:お肌そのものを乾燥しにくい状態に導こう
今回は、「うるおいに満ちたお肌を目指すには保湿だけではなく根本的なケアを!」をテーマにお届けしました。
- ただ水分を補給するだけでなく、肌本来の保湿機能を働かせることが大切
- 保湿物質(保湿因子)は加齢によって減少するものが多いので、美容成分で補給する
- 最もパワフルな水分保持力を持っているのがセラミド
ぜひあなたも、お肌そのものを乾燥しにくい状態に導く根本的なケアを行って下さい。
これからも、皆さんに役に立つ情報が発信できたらと思ってます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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